This is the third post on GMAT sentence correction from Taichi Kono, author of two textbooks on TOEFL and one on TOEIC and a highly experienced TOEFL, TOEIC, and GMAT instructor. He will now be a regular guest blogger. Most of his posts will be in Japanese. His other posts can be found here.
-Adam
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GMAT OG12解説
河野塾代表の河野太一です。年来の友人である Adam Markusさんのご厚意で、"The Official Guide for GMAT Review, 12th Edition"の解説ブログの内容の一部をこちらにアップさせていただくことになりました。オリジナルは河野太一のGMAT OG12解説でご覧いただけます。なお、オリ ジナルのほうは予告なく内容を変更することがあり、ここに上げたものと相違があることがありますのでご了承ください。私のこれまでの記事やGMAT以外の 話題についてはこちらをご覧ください。
SC3
Although 節はtheir own works,まで。主節と、その前に入る挿入句に下線が引かれている。
(A) Although節に過去完了形が使われているから主節も過去完了、と考える人が多いが、そのような「時制の一致」のルールは存在しない。そもそも「時制 の一致」とは、日本語と発想が異なるケースが目立って有名になりすぎてしまった「大学受験文法」であるから、一旦忘れてケースバイケースで考えたほうがよ い。過去完了形は過去時を基準として、そのまた過去をふり返る場合に用いる。until 1900というと1900年が基準になってそのまた過去をふり返っているようだが、実は現在時に基準がある。あくまで現在の視点から、「〜が一定期間続い た」あるいは「〜がない状態が一定期間続いた(否定語が前にある場合)」という事実が過去にあったと述べているだけ。その「一定期間」の終点が「1900 年だった」と言っているに過ぎない。この議論は時制がよほど分かっている人でないと難しいかもしれないので、単純に「untilとセットになる時制は過去 時制」と覚えておけば、若干の例外はあるものの、実質的な支障はないだろう。特にGMATの選択肢において過去形と過去完了形の戦いになった場合は、「基 準なき過去完了」が負けるケースが圧倒的に多い。推測だが、ネイティブスピーカーでも「基準なき過去完了」を間違えて使う人がいるための意図的出題ではな いか。
ともあれ、この問題では(A)の過去形は正しい。ところがuntilの作る句と、否定語notの位置がおかしい。untilと否定語が セットになる場合は、通常否定語は前に出てnot ... untilの語順にならなければならない。begin to doの形はOKだが、seriouslyの位置が気になる。beginにかけたいのなら、本動詞beginの前に置いたほうがよいし、to studyにかけたいのであればstudy以降に置くべきだ。
(B) (A)との比較で言えば、まずuntil 1900の後ろのカンマの有無が気になるが、これはどちらでもよい。beginの後ろはto doでもdoingでもOK。上記の理由で過去完了形がアウト。
(C) not untilの語順はOK。not untilの後ろが倒置になるのは、本来後ろにあるべき否定語を前に出したための倒置で、よくある形。倒置になる前はscholars and critics were to beginだったことになるが、このbe to doの形(「be to不定詞」などと呼ばれる)が問題。be toは助動詞的に動詞の前に挿入され、意味的・文法的にbe going toに近く、「(これから)〜することになる」が基本意味。untilは過去の一点において何かが終わる(物事がそれまで続いた場合)、あるいは始まる (物事がない状態が続いた場合)ことだから、わざわざbe toを挟む理由がない。理由がなければ「〜することになった」よりは「〜した」のほうが簡潔。
(D) it was not until ... thatが定型表現であって、thatをwhenに変えた形はダメ。almostは1900の直前に置くべき。厳密に言えば、almostは副詞であり、 1900は名詞なので文法ルールには反する(むしろ副詞句until 1900の前においたほうが理屈としては整合する)が、What time is it? It’s almost nine.のようにalmostと時間を隣接させるのが決まった言い方。意味的にもalmost 1900というのは1899とか1898年のことだから、やはり年代に隣接させたほうがよく、untilと隣接させると、almostが意味的に untilにかかるのかと思えてしまう。
(E) これまでのすべての問題点を解決しており、これが正しい。it ... that構文が冗長ではないかという点がやや気にかかるが、これが定型表現であることと、上記の様々な問題点のほうが罪が重いことから、ここでは心配な い。
ちなみにAlthough節には過去完了形が使われているが、こちらは1900年頃を基準時としている。1900年頃の時点では「興 味の告白」や「ネイティブアメリカンのスタイルの真似(を試みた)」という行為が完了していた、ということ。つまりこの部分は1900年が過去の一点、 18・19世紀がそれ以前、というとらえ方なのである。この過去完了形を「現在完了の過去バージョン」と取るか「大過去」と取るかは微妙。「その時までに 行為が完了し、行為をしたという経験(事実)をその時には持っていた」ととらえれば前者。confessやpretendは瞬時的動詞だから、「過去より も以前に起こった瞬時的行為」とも考えられ、それであれば後者。筆者は前者だと見ている。なぜならconfessやpretendは瞬時的行為であるが、 瞬時的行為を一度でもしてしまえば、「その行為をした」という事実はずっと残る。ここでは、「1900年までには、誰かがすでにその行為をしたという事実 が存在した」と受け取れるのである。しかしこの両者の判断はどちらともつかない例も多く、どちらに受け取っても大差はない。どちらともつかないからこそ2 通りの解釈が生まれ得るともいえる。
ところで「1900年も19世紀ではないか」と思った人はスルドイ。確かに1900年においては 19世紀はまだ続いている。言い換えれば1900年の時点では19世紀はまだ過去になっていないので、「過去の過去」とはとらえにくい(almostがあ る が、1899年でも1898年でも「19世紀が終わっていない」事情は変わらない)。これも筆者が「現在完了の過去バージョン」と考える理由のひとつであ る。
-河野太一
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March 21, 2010
Guest Blogger: 河野太一のGMAT OG12解説 SC3
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